第46代理事長 磯邊 集 君
「 一期一会 」
集え青年たち、新たな出会いは、未来を変える。
【想い】
10年後の未来を思い描く。私たちの住み暮らす地域は活気に満ち溢れ、伝統文化は、若者の手によってより魅力的に継承され、豊かな資源溢れる地域産業は人々の生活を支える基盤となっており、陸路、空路に恵まれた地の利を生かし国内のみならず海外からもその魅力を感じて訪れる人や生活を営む人が増え、地域経済がもたらす好循環により誰もが夢を描き、未来を担う子供たちを育む地域となり。そして、その中心には「一期一会」の出会いと機会に恵まれた多くの青年が地域を少しでもよくしたいと志を抱き、誇り高く何事にも失敗を恐れず挑戦し続けている姿がある。思い描くことのできる未来は、必ず現実となる。
戦後の焼け野原の中、今の私たちと歳も変わらぬ青年達が立ち上がり日本で最初の青年会議所ができて約70年。激動の時代、平成を経て、新たな時代令和へと運動を紡いでこられた多くの先輩諸兄が思い描き、本気になって挑戦してきた「明るい豊かな社会の実現」が私たちの立つ今なのです。先輩方は時代の中で、限りある時間と、多くの修練の壁にぶち当たってきたはずです。しかし、どんなに険しい道のりでも、未来を信じ、青年らしく、英知と、勇気と、情熱をもって一歩一歩力強く歩んできたからこそ、長きに渡りその「志」は脈々と受け継がれてきた。今を生きる私たちも、その「志」を受け継ぐJayceeとして、様々な価値観が混在するこの時代を英知と勇気と情熱を持って「明るい豊かなまちづくり」に向けて価値ある力強い一歩を歩みださなければならない。
私は青年会議所に出会うまで、恵まれた環境に胡坐をかき、多くの事を当たり前として日々を過ごしていた。周囲で支えてくれる家族や仲間たちにどれだけ甘えて来ただろう、自分の実力の無さを人に悟られぬよう強く、大きく見せる事に躍起になり周囲への感謝の気持ちとは、ほど遠い考えで日々を過ごしていた。2014年、同業者の先輩からの勧めで石岡青年会議所に入会し、そこで私は人生を変える「一期一会」の出会いを得た。そこには、志高く、笑顔と自信に満ち溢れ、伝統と歴史を重んじ、新たなことに勇気を持って挑戦し、地域の未来へ繋がる運動を全力で展開する青年達の姿があった。感動した。心が高鳴った。その出会いから、地域の魅力と課題に向き合う事の素晴らしさを知り、自身が住み暮らすこの地域で仲間と共に様々な活動、運動を経て、今、私の心は大きく変わった事を実感している。「奉仕」は利他の精神を芽生えさせ、すべてのことに感謝することの大切さに気付かせてくれた。「修練」は自身の責任を実感し、青年経済人として向かうべき目標や笑顔の大切さに気付かせてくれた。そして、「奉仕と修練」は、かけがえのない仲間との出会い「友情」を与えてくれた。そんな「一期一会」の機会をくれた地域社会と石岡青年会議所に心から感謝し、2020年度、仲間たちと共に、力強く歩むことをここに誓う。
【一期一会の出会い】
「明るい豊かな社会を実現したい、だれもが自身の能力を高め、個性を発掘し人と社会に貢献できる人財になってほしい。」そんな願いを実現していくためには、この価値観に共感する人財を集め、そこに投資し、育成することが大切です。石岡青年会議所にとっての運動基盤は一にも二にも人財なのです。だからこそ一つ一つの出会いを生涯に一度の出会い「一期一会」と捉え、誠意を尽くすことを怠らず、大切にしなければならない。そして私たち石岡青年会議所にとってどのような人財が必要なのかという、確固たる人財観を確立させることなくして真の拡大はできないと考えます。青年会議所への入会は、「一期一会」の出会いであり、その人の人生を大きく左右するものだと私は思っています。入会を検討する青年に対し、本音で向き合い、組織がどのような理念を持って運動を展開しているのか、確りと伝える必要があるのです。
【アカデミー会員の育成】
「今の若者はきついことがあるとすぐに辞めてしまう」といわれますが、それはそこにやりがいも意義も見出せず、ただ一方的に与えられた課題の達成を追求させられるからではないでしょうか。どんなに厳しくても、そこにやりがいや喜びが感じられ、それが仲間たちや家族、世の中の役に立っているということを実感できれば青年会議所はその人にとって自己実現の場になるのです。活動していく中で「自分が何を求めているのか」に目を向けることは、とても大切なことですが、そこから一歩前へ踏み出し「組織や共に活動する仲間たちは自分になにを求めているのか」、「地域社会は組織になにを求めているのか」へと視野を広げていくことで、より多くの出会いと、より多くの機会(チャンス)を得ることができるのが青年会議所です。その先に「この組織の運動を通して世の中に貢献したい」と心から思える人財への成長があり、Jayceeとして本当に活躍できるスタート地点に着くことができるのです。
【原体験こそ第一歩】
組織にとって数は力になりますが、人財を数と捉え、組織側の論理だけで増やすのであれば、会員一人ひとりが手懸ける事業にやりがいを感じ、責任と誇りを持って運動を展開していくことは難しいと思います。だからこそ青年の成長の場として多くの機会を提供する青年会議所の理念に共感・賛同することができるかどうかが重要なのです。そして石岡青年会議所の一員として、みずから成長するという意志と意欲をもち、自身の住み暮らす地域社会と周囲の人々の幸せに貢献したいと思ってもらえるように、何度でも会う機会を持ち、共に原体験を経て、価値観を合致させ「共に活動したい」と思う人財、すなわちJayceeを拡大するのです。まだまだ、出会うべき青年たちはこの地域で私たち石岡青年会議所との一期一会の出会いをきっと待っています。
青年同士の「一期一会」の出会いは、私たちの未来と、まちの未来も変える力がある。
【時間の価値を考える】
私たちは日ごろ、人生が有限であるという事実を忘れがちです。だから、目先の利益にとらわれたり、誘惑に負けて流されてしまったりします。だれしも完璧な人間ではない事を考えれば、それは仕方のない事でもあります。しかし、仮に明日、人生の終わりの日を迎えるとしたら、これまでの人生は悔いのないものだと胸を張っていえるでしょうか。どのように考え、行動するでしょうか。例えば、アスリートが人生を賭けて叶えたい夢として次回のパリオリンピックでメダルの獲得を目指して、毎日ただ一所懸命に厳しいトレーニングに取組み、ただ突っ走るだけだったら、おそらくメダルの獲得は困難でしょう。本気でメダルの獲得を目指すのであれば、それまでの限られた「時間」をどう使うのかを事前に確りと「考える」ことが大きなカギになるはずです。本番を迎えるその未来に自分にどのくらいの実力が備わっているのか、最終的な理想像が明確に思い描けていなければなりません。そして今現在の自分の実力とその差異を正確に知り一年一年どれだけ成長できるか、それこそ、自分には改善すべき点と伸びしろの長さはどれほどあるのかを細かく割り出さなければなりません。このように「時間」を無駄なく成長に充てるのは非常に難しい事です。しかし、幸いなことに青年会議所は単年度制で運営されており、一年毎に自己の成長と向き合うことができます。そして、その一年の中で一ヶ月をどのように過ごしたらよいのか、一週間をどのように過ごすべきかが確かに見えてくるのです。こうして最終的には「今日一日をどう過ごすか」というところまでいきつきます。そして「考える」という「事前準備」として自身と向き合い、想いを形にする仕組みや「考える」機会が青年会議所には多く存在します。これこそが脈々と紡がれてきた自己成長のロジックであり奉仕・修練・友情と称されるものの一つであると思います。青年会議所運動は様々な機会を通して「時間」の価値を改めて考えさせてくれます。仮に「考える」という「時間」をもたないということは、事前準備をせず、何も考えずに青年としての価値ある今日一日をただ突っ走るということになり、本当の意味で時間を生かすということになりません。
それを思えば、私たち青年にとって、もはや無駄にしていい時間など一日たりとも残されていないのだと自覚することができるはずです。現役のJayceeとして、社会人として、青年経済人として、家族の幸せを願う一人の人間として、人生の質を高められるかは、今日この一日の質をどこまで高められるかにかかっています。自己成長は未来にあるものではなく、今日一日、今この瞬間の中にあるのです。
だからこそ、会員一人ひとりがもつ貴重な「時間」に会員一人ひとりが誠意を尽くし、より一層、価値を高めていくための活動と運動を展開していく。
「一期一会」、生涯でたった一度の今日に誠意を尽くし、価値ある時間を共に生きる。
【未来に繋がる人財育成】
2020年を迎えた現在、誰もが情報に触れ、ロボット工学、人工知能や自動運転の技術が発達し、生活のあり方それ自体が変わろうとしています。「第4次産業革命」や「Society5.0(ソサエティ5.0)」など、現在、日本の労働者人口の約49%が就いている職業が人工知能やロボットに代替可能とまで言われ、次の時代の向かう先として様々な考察がなされています。こうした現実を考えたとき、これまでの考え方では次の時代に活躍できる人財を育成することは困難です。時代の転換期である今だからこそ、これまでの受動的に学ぶ姿勢から、自らが社会に対して何ができるのかを考え、そのために行動するという能動的に考え学ぶ姿勢に転換していかなければなりません。ならば、今後の予測できない未来や、新たな価値を生み出すことが必要とされる時代において、何を身につければよいのか。その答えは、「人にしかできない能力の向上」なのです。
そこでは自分が何をしたいのかを主体的に考える必要があります。自分は何をやることが一番の喜びなのか、何に一番やりがいを感じることができるのかを考えられるアウトプット思考にシフトしていくということです。人が一番幸福感を感じる瞬間は、自らの選択で他者へプラスの影響を与えることができたと実感した瞬間です。それは組織内、家庭内、そして地域コミュニティー内のすべてにおいて当てはまります。今までのように言われたことを必死にやるだけの人材には限界が訪れてしまいます。
次の時代に活躍できる人財になるためには、これまでのようなインプット思考ではなく、自ら能動的に学び、考え、行動していく必要があるのです。そして、その行動にツールとして必要不可欠なものは「志」です。アウトプット思考へのシフトとは内なるものを引き出すことですが、そもそも自分の内なるものが何なのか、わからないという人もいるかと思います。まず自分は何がしたいのかを確りと考えること、それこそが「志」なのです。
日々、青年会議所活動、運動を通して我々が向き合い挑戦していることこそ次の時代に必要な人財育成の仕組みそのものだと言っていいのではないでしょうか。私たちの活動、運動には価値がある。その価値に自信と誇りを持ち「一期一会」の機会と捉え、共に自信をもって運動を展開してまいりましょう。
石岡青年会議所に集う青年たちよ、俺達ならできる、自信と誇りをもって未来に繋いでいこう。
【 結びに 】
明るい豊かなまちづくりを目指し運動を展開する青年会議所の活動は「投資」と表現するのが一番わかりやすいかもしれません。今の社会や住み暮らすまちの現状に危機感を抱き、まちの未来や家族を守るために今しかできないこと、今のうちに力を身につけておこうとすることは、まさに自己成長、「投資」ではないでしょうか。そんな青年にとっての自己成長の場として46年間紡がれてきた石岡青年会議所も少しずつ会員数が減り、2020年度は27名からのスタートとなります。
もしも、このまま会員が減り続け、この地域に青年会議所が無くなり、多くの人々が自身の利益を守るためだけに日々を過ごしていたならば地域は予測を上回る速度で衰退し、なくなってしまうかもしれません。しかし、私たちの地域には青年会議所がある。私たちがいる。2020年度石岡青年会議所は会員数こそ少ないかもしれないが、まだまだ可能性と魅力に溢れるメンバーがいる。そして組織として時代を先駆ける仕組みが確かにあるのです。その価値に一番気付かかなければならないのは私たち自身なのではないだろうか。私はこれまでの人生において青年会議所との出会いは、まさに「一期一会」、生涯にたった一度しかないと思えるほどの掛替えのないない出会いだと思っています。このまちに生まれ、このまちで会社を営み、このまちで家族と共に暮らし、このまちで多くの仲間に支えられて生きている。青年会議所は楽しいことばかりではないけれど、今日まで流した汗と涙は決して無駄じゃなく、いつの日か必ず自分に返ってくる「一期一会」の機会なのだと信じています。
2020年度、石岡青年会議所は拡大運動に「一期一会」の想いを込めて取組みます。
一度きりの人生、全ての出会いを一生に一度の貴重な機会と心得、共に運動を展開する仲間たちと、これから出会うまだ見ぬ仲間たちとの出会いに誠意を尽くし、未来にひとつでも多くの可能性の襷を繋いでいこう。
「一期一会、集え青年たち、新たな出会いは未来を変える」
【事業計画】
・一期一会、生涯に一度の出会いを叶える拡大運動の展開
・未来に繋がる人財育成を目的とした運動の展開
・一期一会、会員全員で誠意をもって取り組む組織運営
・50周年に向けた新たな価値への検証
・一期一会の出会いある対外事業への積極的参画の推進